「折りたたみ自転車って、こぐと少し頼りない気がする」——そんなイメージをお持ちの方は、少なくないかもしれません。
たしかに、フレームを途中で折りたためる構造は、その分だけ剛性(かたさ)や強度を保つのが難しいもの。多くの折りたたみ自転車が抱えてきた、いわば宿命的な弱点です。
ところが、DAHON(ダホン)の一台に乗ると、その印象は大きく変わります。しっかりと踏み込める安定した走り、軽快な取り回し、そしてコンパクトな折りたたみ。本来なら両立の難しいこれらを、DAHONはどうやって実現しているのでしょうか。
その答えは、DAHONが積み重ねてきた独自のテクノロジーにあります。この記事では、電動アシストではない「自転車」としてのDAHONの技術を、じっくり深掘りしていきます。
目次
- すべては、物理学者から始まった
- Deltec ―― 一本のワイヤーが、フレーム強度を約3倍に
- Visegrip Technology ―― 折りたたみの"要"を支える
- Dalloy ―― 軽さと強さを両立するアルミ
- 折りたたみ機構へのこだわり
- 細部に宿る、使いやすさの工夫
- 技術が生む、DAHONの乗り味
- まとめ
すべては、物理学者から始まった
DAHONの技術を語るうえで、まず知っておきたいのが、創業者の存在です。
DAHONを生み出したのは、Dr. David T. Hon(デビッド・ホン博士)。もともとはレーザー物理学の研究者で、アメリカの航空宇宙分野で研究開発に携わっていた人物です。
じつは、ここにDAHONのものづくりの原点があります。ホン博士は、自転車を「経験」や「勘」ではなく、物理学と力学の視点から設計しました。「なぜ折りたたみ自転車はたわむのか」「どうすれば少ない力で速く走れるのか」——そうした問いに、科学者として向き合ってきたのです。
だからこそDAHONの技術は、見た目の派手さではなく、「理にかなっているかどうか」を軸に作られています。これからご紹介する技術も、その姿勢がよく表れたものばかりです。
Deltec ―― 一本のワイヤーが、フレーム強度を約3倍に
DAHONの技術のなかでも、とりわけ象徴的なのが、特許技術**「Deltec(デルテック)」**です。
DAHONの一部モデルには、フレームの下側に一本のワイヤーが張られています。一見すると、ただのケーブルのよう。ですが、これこそがDAHONの走りを支える、重要な技術なのです。
仕組みは、シンプルで力学的
Deltecは、フレームのトップチューブとボトムブラケット(ペダルの付け根部分)を、柔軟なワイヤーでつなぐ技術です。これにより、フレームに三角形(トライアングル)の構造が生まれます。
構造力学の世界では、三角形は「もっとも安定した形」として知られています。橋や建築物にも使われるこの原理を、自転車のフレームに応用したのです。
折りたたみ自転車の弱点を、解決する
折りたたみ自転車は、フレームの途中に折りたたむための「ヒンジ(蝶番)」があるため、こいだときにその部分を中心にたわみやすい、という弱点があります。
Deltecは、このヒンジ部分にかかる負荷を軽減し、フレーム全体の強度を約3倍に高めるとされています(DAHON調べ)。その結果、ペダルを踏み込んだ力が逃げにくくなり、キビキビとした安定感のある走りが生まれます。
「折りたたみなのに、しっかり進む」——その感覚の裏には、この一本のワイヤーの働きがあるのです。Bluearthで取り扱うモデルでは、HIT D6やHIT Limited Editionなどに搭載されています。
Visegrip Technology ―― 折りたたみの"要"を支える
折りたたみ自転車にとって、フレームを折りたたむヒンジ部分は、まさに心臓部。ここの精度と剛性が、乗り心地と安全性を大きく左右します。
DAHONの多くのモデルには、**Visegrip Technology(バイスグリップ・テクノロジー)**と呼ばれるフレーム技術が採用されています。これは、折りたたみ部分をしっかりと固定し、走行中のがたつきやゆるみを抑えるための仕組みです。
折りたたむときはスムーズに、走るときはがっちりと。相反する要求に応えるこの技術が、DAHONの「たためるのに、しっかり走る」を根っこで支えています。ほぼすべてのDAHONフレームの土台となる、いわば基盤技術といえるでしょう。
Dalloy ―― 軽さと強さを両立するアルミ
自転車の重さや乗り味を大きく左右するのが、フレームの素材です。
DAHONの多くのモデルには、**Dalloy(ダロイ)と呼ばれる、DAHON独自のアルミニウム・チューブセットが使われています。とくに軽量モデルに採用される「Dalloy Sonus Tubeset」**は、必要な強度を保ちながら、徹底的に軽さを追求した設計です。
DAHONの折りたたみ自転車が、7kg台という驚きの軽さを実現できているのも、こうした素材へのこだわりがあってこそ。「軽いのに、頼りなくない」——素材選びの段階から、DAHONの技術はもう始まっているのです。
なお、Boardwalk 16のように、あえて**クロモリ(クロモリブデン鋼)**を採用したモデルもあります。クロモリは、アルミとはまた違う、しなやかで上質な乗り心地が持ち味。DAHONは、モデルの性格に合わせて、最適な素材を選び分けているのです。
折りたたみ機構へのこだわり
折りたたみ自転車のパイオニアとして、DAHONは折りたたみ機構そのものにも、長年のノウハウを注ぎ込んでいます。
とくに象徴的なのが、フラッグシップCurl i4(カール i4)に採用された「Flip Frame(フリップフレーム)」。オートラッチ機構を備え、縦・横の3か所で折りたためるこの構造によって、DAHON史上もっともコンパクトな折りたたみサイズ(H54×W58×D27cm)を実現しました。
さらにCurl i4には、折りたたんだ状態のまま押して運べるローラーラックも備わっています。「小さくたためても、持ち運びが大変」——そんな悩みにまで、技術で答えているのです。
コンパクトさ、たたみやすさ、そして運びやすさ。折りたたみ機構の完成度こそ、パイオニアであるDAHONの真骨頂です。
細部に宿る、使いやすさの工夫
DAHONの技術は、大きな仕組みだけではありません。日々の使いやすさを高める、細やかな工夫も随所に息づいています。
- 工具不要の可変式ハンドルポスト ―― 体格に合わせて、手軽に高さを調整。ご家族でのシェアもスムーズです
- 折りたたみペダル ―― たたんだときの厚みを抑え、収納性をさらに高めます
- クイックリリースペダル(De-ped) ―― Curl i4に採用。工具なしでペダルを着脱でき、よりコンパクトに
- 内装変速 ―― Curl i4のSturmey-Archer製内装4段など、チェーンがむき出しにならず、汚れや雨に強い設計
- アクセサリー台座 ―― バスケットやラックを取り付けられ、ライフスタイルに合わせて拡張できます
こうした「かゆいところに手が届く」設計の積み重ねが、DAHONの完成度の高さにつながっています。
技術が生む、DAHONの乗り味
ここまでご紹介してきた技術は、そのすべてが**「乗ったときの気持ちよさ」**につながっています。
Deltecがフレームのたわみを抑え、Visegripがヒンジをがっちり固定し、Dalloyが軽さを支える。これらが組み合わさって生まれるのが、**「折りたたみ自転車らしからぬ、しっかりとした走り」**です。
ペダルを踏み込んだ力が、無駄なく前へ。小径ホイールでも、ふらつきの少ない安定した走行感。そして、乗り終えたあとはコンパクトに収納。DAHONの一台には、物理学者が突き詰めた「理にかなった設計」が、余すところなく詰まっています。
数字やスペックだけでは伝わらないこの乗り味は、ぜひ一度、実際に体験していただきたいところです。
まとめ|"科学"が支える、折りたたみの自由
一本のワイヤーでフレーム強度を約3倍にするDeltec。折りたたみの要を支えるVisegrip。軽さと強さを両立するDalloy。そして、完成度の高い折りたたみ機構。
DAHONの技術は、どれも「折りたたみ自転車の弱点を、いかに克服するか」という問いへの、真摯な答えです。その根っこにあるのは、創業者である物理学者の「力学で自転車を設計する」という思想。
だからこそDAHONは、「軽い」「小さくたためる」「よく走る」を、これほど高い次元で両立できるのです。
技術に裏打ちされた、その走りと自由を。ぜひBluearthで、体感してみてください。
📩 ニュースレター登録で10%オフ
ニュースレターにご登録いただくと、初回のお買い物が10%オフになります。新商品やお得な情報も、いち早くお届けします。
▶ DAHON INTERNATIONALのラインナップを見る
▶ ニュースレターに登録する
記事キーワード
DAHON 技術 Deltec 折りたたみ自転車 フレーム DAHON 折りたたみ Visegrip Dalloy ダホン テクノロジー Bluearth